(1)被告人の母親尋問
母親の弁護側尋問の内容は主に被告人の中学時代から成人するまでのおいたちに絞られた。
(おそらく、『被告人が学校でいじめにあっていた』事を今後の減刑の材料にする弁護側の作戦だと思います)
被告人の経歴は、3人兄弟の長男で中学時代に『動作が鈍い』ことからいじめに遭い徐々に学校を休むようになる。中学卒業後高校受験に失敗し調理学校に入学するが3〜4ヶ月で学校を辞める。その後、大工・花屋・運送屋等の仕事を転々とし、19才のときにシンナーで中等少年院送致になったが4ヶ月目に少年院を脱院(脱走)し直ぐに捕まりその後別な少年院に1年間入る。
母親の証言はあまりにも『我が子可愛さ』の発言が多く遺族の感情を逆撫でしているように受け取れました。
途中で検察官が激怒する場面もありました。
検察:『過去に暴力事件を起こした事はありますか?』
母親:『近所の人の話ではうちの子が殴られていると言う話しは聞いたことがあるけど殴ったと言う話しは聞いたことはありません。この子は気が小さく、とてもやさしい子で弟の面倒は良く見るし、とてもこんな事をする子ではありません。』
検察:『暴走族に入っていたのは本当ですか?』
母親:『暴走族に入ってませんでした。一度集会に行っただけです。』
検察:『暴力団に出入りしてたようですが・・・』
母親:『暴力団の方がやってる時計屋さんに遊びに行って遊んでただけです。』
:
:
裁判官:『遺族の方にどのような償いを考えてますか?』
母親:『亡くなられSさんには申し訳ないと思ってます。毎日主人と泣いてました。私もこれから働いて少しづつお支払いをしていきたいと思ってます。』
裁判官:『支払いはいつからするのですか』
母親:『(しばらく沈黙)・・・・ 裁判が終わってからお支払いしたいと思います。』
(裁判が終わってからと言う事は罪を認めていないことではないだろうか?・・・シンジ)
裁判官:『今年になって息子さんが仕事をしてましたか?』
母親:『去年から佐川急便で働いてました。今年の1月も毎日夜出かけて朝帰ってくるので仕事していると思ってました。』(実際は去年12月で仕事を辞めていた)
(2)被告人尋問
今回の一番の注目は中野大助被告の尋問であったが、肝心な質問になると被告人は『覚えてません』とか口を閉ざしてしまい検察側や裁判官側から同じ質問が繰り返される場面があった。裁判官から尋問の最中に裁判官の質問に対して被告人が『何がいいたいのですか?』を言い返す場面もあり法廷は延々3時間にも及んだ。
特に印象的なのは自分はあくまでも見張り役であり実際の暴行現場は見ていないと言い張っているように思えた。
被告人尋問の一部を紹介します。
検察:『1月の犯行にモンキーレンチや鉄パイプを使われた事を知ってますか?』
被告:『・・・・・はい』
検察:『それらの道具を実際の暴行に使ってるところを見ましたか?』
被告:『やばいと思ったけど、見たことはありません』
検察:『いずれ捕まるとは思わなかったですか?』
被告:『いつかは捕まるだろうと思ってました』
検察:『1月下旬に弟が警察に引っ張られてやめようと思わなかったか?』
被告:『思わなかった』
検察:『何で行ってたのですか?』
被告:『毎回少年Aから誘われるのでしかたなく行った。2月の時は行きたくなかった。・・・』
:
:
裁判官:『死人が出た事で、「殴らない」事はあなたにとってどう言う意味がありますか?』
被告:『・・・・・(沈黙)』
裁判官:『同じ仲間が少年院に行って自分は罪を受けないことをどう思いますか?』
被告:『・・・・・(沈黙)』
(裁判官の質問はストレートでいいですね!。沈黙でいる事は罪を認めていないのでは・・・シンジ)
|
尋問席の中野被告
手前が中野大輔
奥が女性裁判官
【スケッチ提供】
南島健太郎氏
(2000/7/21追加)
|